
こんにちは、べすとびじょん久保田です。
今日は、個別相談に来てくださったAさんのお話をもとに、
発達に凸凹のあるお子さんを育てるお母さん・お父さんにぜひ知っておいてほしい
“大切な見立ての考え方”と“実践すると子どもの自己肯定感が回復する関わり方”
についてお届けします。
Aさんは、初級講座や勉強会にも積極的に参加してくださり、
「学んだことを息子に実践してみています」と前向きに取り組んでおられる方です。
実際、背中の触診や姿勢チェック、熊歩き・クロスウォーキングなど、
ご家庭でも工夫しながら取り組んでいると嬉しそうに話してくださいました。
でも、その中でAさんには大きな悩みがありました。
■「できないことが多すぎて…」Aさんの胸の内
Aさんのお子さんは、知的障害があり、学年は小4でも発達段階は4歳前後。
そのため、講座で学んだアセスメントやトレーニングをそのままやろうとすると、
“ほとんどできない”という状況が続いてしまったのです。
Aさんは、
「できないことばかりさせ続けていいのか…」
「回数を減らしたら意味がないのかな…」
と、不安で胸がぎゅっと締め付けられるような想いを抱えていました。
私はそこで、いつも大切にしている“支援の原点”をお伝えしました。
■べすとびじょん式の核心は「見立て」です
支援の世界では、多くのメソッドが「道具=プログラム」に焦点を置きます。
ですが、べすとびじょん式は違います。
大工さんの世界で、どれだけ良い道具があっても
それを使いこなす“職人の腕”がなければ結果は出ません。
発達支援も同じ。
いちばん大事なのは“支援者側の見立ての力”です。
つまり、
- その子に何が起きているのか
- どの段階でつまずいているのか
- どうすればその子が自信を取り戻せるか
を“診察”のように見抜く力が必要なのです。
Aさんの息子さんにとっては、まだ“基本形のままのプログラム”は段階が高すぎます。
だからこそ、私はAさんにこうお伝えしました。
■「まずは“誰でもできる段階”まで下げてあげてください」
Aさんは驚いたように目を開いていました。
でもこれは本当に大切なこと。
べすとびじょん式の原則は、
“できなかった体験が続くと自己肯定感は必ず下がる” ということ。
だから私たち支援者は、いつもこう考えます。
▼ステップ1
まずは 「誰でもできる」レベルまで下げる
▼ステップ2
できた経験を積み重ねて、“自信の土台”を回復させる
▼ステップ3
そこから、少しずつ少しずつ負荷(難易度)を上げていく
Aさんが勇気を出して質問してくださった
「熊歩きの評価はつま先から?かかとから?」も、
実は細かさより“粗大運動としての基本形ができているか”が大事です。
つまり できている部分をまず認めることから始める のが本質なのです。
■実際にお伝えした“愛のある実践プログラム”
今回の面談でAさんにお伝えしたのはこの2つ。
【プログラム①】
■「できるを取り戻すための“超基礎トレーニング”に戻す」
Aさんの息子さんがつまずくのは、
“課題が難しすぎる”のではなく 階段を数段飛ばしているから。
だから、
- 熊歩きの“同着だけ”を見る
- クロスウォーキングも“前後できるかだけ”を見る
- 出来なければ「成功しやすいバージョン」に即座に下げる
これを徹底してほしいと伝えました。
その結果、Aさんは
「息子が少しできた!嬉しそうに笑いました」
と報告してくれました。
子どもの笑顔は、心の回復のサインです。
【プログラム②】
■「負荷を自由に変えて、『おもしろい!できる!』を作る」
べすとびじょん式の特徴は、“遊び心で負荷を変えられる”こと。
例えば…
- クロスウォーキングで重りを片手だけに持つ
- 頭にお手玉を乗せてバランスを取る
- 平均台の上で同じ動きをしてみる
など。
Aさんも、
「そんな発想があるんですね!楽しそう!」
とすごく前向きになっていました。
「やってみたい!」と感じたとき、
支援者の創造性は何倍にも広がります。
■Aさんが話してくれた“感動の変化”
最後に、Aさんが話してくれた言葉がとても印象に残っています。
「息子が、できないことばかりの時期よりも
最近は“やってみようかな”という顔をするようになりました」
これは、べすとびじょん式の目的である
自己肯定感の回復 が始まっている証拠なのです。
できない子に“できる子の基準”を押しつけるのではなく、
“その子の今”に寄り添うことで、
お子さんは本来持っている力を伸ばし始めます。
Aさんの息子さんの笑顔は、まさにそのスタートでした。
■久保田から読者のあなたへ
この記事を読んでくださったあなたへ、
どうかお伝えしたいことがあります。
子育ては、本当に孤独で、
「これで合ってるのかな」と迷う時間でいっぱいです。
でも、どんなお子さんにも、
伸びる力は必ずあります。
そして、あなたの優しさや愛情は、
その力を引き出す最大のエネルギーです。
どうか焦らず、責めず、
今日もお子さんの小さな“できた”を一緒に喜んでくださいね。
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。
あなたとあなたのお子さんに、
明日また新しい笑顔が訪れますように


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