見知らぬ土地で、暗闇の道を歩く自分を想像してみてください。
灯りのないところでは、誰もが不安になり不快になります。
中にはパニックに陥る人もいるでしょう。
これは「わからない」ことに対する不安です。
「わからない不安」
この「わからない」状態を放っておくと、気持ちをポジティブに持っていくことが非常に難しくなります。
さらに、イメージとパフォーマンスのギャップが大きいほど不安が増し、モチベーションもどんどん下がっていきます。
この状態を気合で乗り越えようとするほど、「不安」やネガティブな気持ちが大きくなり解決策が見えない負のスパイラルへ。
特に日本では「精神論」が重んじられ、あなたは「メンタルが弱い」「本番に弱い」というレッテルを貼られ、それが恥ずかしいこと、悪いこととして捉えられていました。
しかし、メンタルは気持ちだけで変えられるものではありません。
メンタルは、脳で行う“情報処理能力”が影響しています。
私たちは、周囲の環境や今、起こっている出来事を眼で捉え情報収集を行い、それを速やかに分析して対処法を考えています。
メンタルが強い人は、眼を素早く広範囲に動かせるので情報処理がスムーズにできます。
それにより、気持ちを落ち着かせることができます。
眼の動きを改善することで、思考のバランスが整えられれば、メンタルも落ち着かせることがきるのです。
ゴルフのパッティングを2人一組で行う。一人はパターを持ち、ボールを打つのだが、目隠しをさせられる。
もう一人はパターを持つことはできないのだが、芝目を読み、距離感を測って、それをパートナーに伝えてボールを打ってもらう。
つまり「See, Think, Do」のうち、どれかをできなくしてしまうのだ。
それにより、パターを持てない人は見ることにより集中し、それを言語化することで思考を客観的に捉えることができたり、一方で目隠しされた人は認識したものを動作に正確に伝える連動を意識しながら実感できたりする、というものだ。
この記事はテニスの錦織圭選手が育ったアメリカのIMGアカデミーのトレーニング手法の一つをご紹介しています。
「See, Think, Do」
普段は意識せずに行っていることですが、「眼でしっかり捉え、認識し動作に正確に伝える」。
この連動を意識してトレーニングすることで、脳への情報伝達がスムーズになり、メンタルも落ち着きパフォーマンスは向上します。
眼の動きが改善されるとメンタルも落ち着く。
ビジョントレーニングはスポーツ選手に限らず、全ての人々のあらゆる場面で有効なトレーニングです。
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